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#204 生タコの握りジンジャーソース

生タコの握りジンジャーソース


何年ぶりかで、新宿で大学時代の友人2人と飲んだ。

楽しかったが、新宿は人は多いし、外は蒸し暑いし、建物のなかは、冷房が効きすぎて寒い、普段喫煙者と席を同じにすることはないので、喉も痛み、大層疲れた。

その友人のひとりは新聞記者で、もうひとりは、編集者である。なんか似たような商売の友人が多い。

その編集者のほうは、いまでは美術関係の出版社にいるので、そちらの方面の仕事が多いが、昔はプロレスの本や飲尿健康法の本の編集に携わっていたこともある。飲尿健康法の本を編集していたときには、自分の尿を実際に飲んでみたりしていた。

彼女は、高校卒業後、農協に就職してほしいという親のプレッシャーをはねのけて、山形のド田舎から、大学進学したツワモノである。

親からの仕送りは受けなかったため、大学では、ほとんど講義には出席せず、中華料理屋でのバイトで生計を立てていた。お金のないときは、毎日キャベツ千切りのみを食べて暮らしていたらしい。

一時靴を買わずに、はだしで暮らしていたこともある。ワタクシが、当時大学構内で見かけたときは、高校時代の体育の授業で使っていた赤いジャージの上下を着て、炎天下にもかかわらず、黄色い長靴を履いていた。

彼女の専攻はインド哲学だった。チベット仏教に憧れ、在学中にダライラマにひとりで会いにインドにいった。最低の宿を転々として、インド中を旅した。

ダライラマに会いに行く途中で、演習中のインド兵にこっちが近道だとだまされ、森に入り、あとをつけてきた複数のインド兵に危うくレイプされそうになった(他の部隊に助けられたという、いいインド人もいるのである)。

タージマハルの近くでは、インドの男にだまされてホテルに連れ込まれ、一晩中抵抗し、男と格闘したこともある。あげくに相手は夜明け前には、すっかり疲れきって諦めたそうだ。

「ふたりとももうへとへとだったのよ」

というのが、そのときの彼女の感想だ。レイプ未遂犯もへとへとだったというのがなんかおかしい(状況は緊迫していたはずだが … )。

こうなるとツワモノというよりゴウケツといったほうが正しい。

彼女は頭もいいひとだが、あまりひとを疑うことしない。だからインドなんかにいくと危険な目にもあう。危機管理能力には問題があるが、それは一方で図抜けたコミュニケーション能力にもつながっている。

レッテルを貼ったり、ひとの評価を鵜呑みにしないので、どんなひとや猫に対しても態度は変らない。何回か、出版社を変わっているが、採用試験も面接になると抜群の強みで、採用になる。

大学を卒業後、上京し、彼女が最初に住んだアパートは、取り壊される一歩手前の老朽化した代物だった。彼女はそこに住んでいるときには、不在のときも部屋で寝ているときも鍵をかけたことはないらしい。泥棒のほうが相手にしないくらいのボロアパートだった。

そのときアパートの隣りの部屋に住んでいたのが、Y田さんだ。

Y田さんは当時、人形劇団の人形使いで、やはり貧乏な生活をしていた。ワタクシも友だちの友だちはみな友だちということで、Y田さんともそのとき知り合った。

新宿で飲んでいるうちに、そのY田さんが新宿で最近水商売をしてるという話になった。連絡をとってみようということになり、電話をすると、われわれがいる飲み屋から歩いて2、3分のところでバイトをしていることが判明。会うのは、何年ぶりだろう。

Y田さんのカオで、スナック他を経営している社長に頼みこみ、格安90分飲み放題コースで、宴会のつづきをした。

もともと看護師だったY田さんは、すでに人形劇団をやめ、看護師の専門学校で講師をしていると聞いていた。

なぜ新宿でバイトを?
教えている学校が、夏休みになったので、ヒマなのでスナックでバイトをしているという(なんじゃそれ)。Y田さんもよくわからない謎のおヒトなのである。


もう一軒いこうという3人を置いて、ワタクシは早々に退散した。なにしろ翌朝は熊本に朝一番で帰らなくちゃならない。

翌日、件のゴウケツから熊本に電話があった。あのあともう一軒いき、池袋までもどったが、結局終電を逃し、池袋の西側の公園で、ダンボールを敷いて、そこで朝まで寝たという。

わお、女性一人池袋の公園で野宿か~。

ゴウケツぶりと危機管理能力のなさは相変わらず、健在なのだった。



写真は生タコの握りである。フライパンでバルサミコ酢を煮詰めて、黒蜜を加え、そこにおろした生姜とオリーブオイルをたらしたソース。即興ソースなので、パンチがちょっと足らないが、酸っぱめの鮨飯とは意外にあうのである。

| お鮨とその弟子♪ | 10:23 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

すごいな~

世の中には、いろんな人がいるのだなぁ。
面白い人の近くには、やっぱり面白い人がいるのですね~と妙に納得。
それにしても、まるで小説の中の人のような編集者さん。
すごいなぁ~。

タコの握り、美味しそう~。
寿司にバルサミコ酢のソースっていうのが、
思いつきませんでした!さすがです!

| popoki | 2009/08/16 13:49 | URL | ≫ EDIT

> popoki さん

世の中には変わった人が多いですね。
だから面白いのかもしれません。

長かった夏休みも今日が最後です。
あっという間でした。
生活のリズムが、だいぶずれているようで
明日からリハビリが必要かもしれません。

生ダコの握りもいいものですね。
バルサミコ酢のソースもよいのですが、
ワサビにお醤油で素直に食べるのもまたよし、です。

| デコポン | 2009/08/16 23:16 | URL | ≫ EDIT















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