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#208 粕汁

粕汁


朝、出かけようとするとNHKの「この人にトキメキ!」という番組が始まった。

ゲストは、佐藤愛子である。もう80歳を超えているが、そうは見えない、背筋がピンと伸びている。元気そうである。

ついつい仕事にも行かずに見てしまった。まあ、うちの職場は遅刻ということがないのでこのへんは安心だ。

でもハナシは、最新作の小説の話、「血脈」は、小説家だった父佐藤紅緑の一族の話だ。若いころから、借金を背負い、作家として波乱万丈な人生を送ってきた話。いつまでも作家として活躍をしている理由など、当たり障りがないNHK的な話題に終始した。

佐藤愛子は、ユーモア小説、エッセイでよく知られているが、もうひとつ別の顔がある。

彼女は、長いこと霊的な現象に悩まされ、それを克服するのに大変な苦労をしてきたひとだ。

それについては、「私の遺言」に詳しい。

北海道に買った別荘での怪現象。成仏できずにいた佐藤家の先祖の霊、別荘を建てた場所に閉じ込められ、恨みつらみによって何百年も自縛霊として繋ぎ止められていたアイヌの未成仏霊たち。彼らを霊能力者に頼んでお払いをしてもらった話。

親身に相談に乗ってくれた美輪明宏やいつも頼りにしていた無名だったころの江原啓之との交流などが書かれている。

佐藤家にまつわる因縁。アイヌの酋長の娘だった前世の話。もうこれでもかというくらい、怪しいエピソードばかりである。ふつうのひとは読むのがイヤになるかもしれない。気味が悪い話でいっぱいだからだ。

でも怪現象にたちむかう凛とした佐藤愛子の態度や、すでに亡くなった遠藤周作の霊界からのメッセージには救われる思いがする。

世間はまだこうしたこの世界とはちがうもうひとつ別な世界を、おもしろがって取り上げる以外は、敢えて取り上げようとはしない。

似たような例には、エリザベス・キューブラー・ロスがいる。

ホスピスという言葉がなかった時代から、死に臨んだ人の心理について先駆的な仕事をしたスイス生まれの米国の精神科医だったひとだが(2003年没)、あるときから「死は存在しないこと」、「死んだあとも生命は存在し続ける」ことについて語りはじめた。

彼女の自伝を読むといかに彼女がむこうの世界といろいろな交流があったのかがわかる。

世間は、いまでも彼女の「臨死に関する仕事」は評価するが、彼女がいう「死後の生」についてはまったく触れないことが多い。

「生」を理解するためには、「死」をきちんと理解することが必要である。机上の哲学や思想ではなく、死後の生が「ある」のか、「ない」のか、もうひとつの世界を受け入れられるかどうかだ。

証拠などいくら求めても無駄なのだ。物質でない世界の存否をどうして物質を基盤とする科学の俎上で議論できようか。

彼女たちは、おそらく時代の先駆けなのだと思う。「見えない世界」を受け入れる素地をつくるために新しい時代の到来を告げるためにやってきたのだろう。

あと10年もしないうちに「死後の生」を疑わずに、こころ安らかにこの世を旅立っていく人がもっともっと増えるのではないだろうか。「見えない世界」を受け入れることによって、「なぜ僕らはこの世に生を受けたのか」、についても改めて問い直されるようになるのだと思う。



佐藤愛子 「私の遺言」 新潮文庫
エリザベス・キューブラー・ロス 「人生は廻る輪のように」 角川文庫


| あやしい話♪♪ | 01:16 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

あったまる

粕汁、あぁ体がほっこりと温まりそうですね~。
自分ではなかなか作らないけれど、大好きです。
あの香り、ぽかぽかする感じ・・・いいなぁ。

佐藤愛子さんの「私の遺言」、今度読んでみます。

| popoki | 2009/08/29 10:54 | URL | ≫ EDIT

おおっ 佐藤愛子さんは、大好きなんです。
初めて読んだのは中学生のときで、それからずっと愛読しています。
私、霊とかあの世とかそういう話が大好きなんですが、絶対アルと信じていながら、自分が体験していないので、アルと言い切れない、みたいな複雑な心境なんです。
でもある時「私の遺言」が出る前にポツポツとエッセイで霊的現象について書かれ始め、「あの佐藤愛子さんが言うんだから、やっぱり間違いないんだ」と心強く思っていました。
すみません、長々と。
やっぱり、ありますよね。そちらの世界。

| はいむ | 2009/08/29 23:56 | URL | ≫ EDIT

> popoki さん

夏なのに、不調がつづいていて、
職場の冷房の風にあたると、寒気がします。
スーパーも長い時間いると、気分が悪くなります。
そうとう体調不良ですね。

そんなわけで、カラダが温まる料理をつくってしまいます。

佐藤愛子さんの本(「私の遺言」)は、フィクションではなく、体験のお話で驚いてしまいます。怖いハナシが多くて、キモチがちょっと暗くなります。でも佐藤愛子さんの毅然とした態度には感動してしまいます。おすすめの本です。

エリザベス・キューブラー・ロスの自伝も、すばらしい本です。いつか、映画化してもらいたいとおもうくらいです。彼女は、いつも時代の20年くらい先を歩いていたひとです。初期の仕事も世の中に受け入れられるのに時間がかかりました。そして初期の仕事が評価されてたときには、もう次のステージに進んでいるという具合です。読むたびに、感動して泣けます。

| デコポン | 2009/08/30 00:16 | URL | ≫ EDIT

> はいむさん

こんばんは、
佐藤愛子さんのファンでしたか。
はいむさんのブログを拝見していると、
なんかわかるような気がします。
佐藤愛子のエッセイは、温かくて芯が一本通っていて、
おかしみ中にも安心させてくれるなにかがありますね。

霊的なことにまったく興味がなかった彼女が、
体験を通じて見えない世界を受け入れていく過程が、
とても興味深かったです。

はいむさんがおっしゃる「絶対アルと信じていながら、自分が体験していないので、アルと言い切れない、みたいな複雑な心境」もよくわかる気がします。きっと現代というのは、見えない世界を受け入れる過渡期にあるんでしょう。見えない世界を受け入れることが、刹那的なものの考えから、内省的で、他者を大切に思うポジティブな考えにつながっていくといいなあ、と強く思います。

| デコポン | 2009/08/30 00:45 | URL | ≫ EDIT















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